恋愛感情を持っていないと、人生がとても生きにくいですよね。
アロマンティック・アセクシャルを自認した後でも、
なんで人を好きになれないんだろう…何か原因ってあるのかな?
と考えてしまうことがあります。
そこで今回の記事では、当事者の立場からアロマンティック・アセクシャルの原因について考えていきたいと思います。
あくまでも私の体験や環境を元にした話なので、注意してくださいね
それではどうぞ!
過去のトラウマが原因説
恋愛感情がないことを人に話すと、
まだいい人に出会ってないだけだよ~
と軽く返されることが多いですよね。
この世に恋愛感情がない人がいることを想定していない人がほとんどなので、基本的には信じてもらえません。
もし信じてもらえたとしても、
えっ…過去に何かトラウマが…?
と、一転して深刻な雰囲気になったりします。
確かにアロマンティック・アセクシャルの中には、トラウマが原因で恋愛や性的な接触を嫌悪する人もいます。
特に身体が女性だと、性的な被害にもあいやすいですからね。
しかし、私にはそういった経験はありません。
まず人を好きになったことも、お付き合いをしたこともないので…
トラウマになるような、ひどい恋愛経験なんて皆無です。
知人の修羅場に巻き込まれたこともなく、痴漢などの性的な被害を受けたこともありません。
唯一、思い当たるとすれば、小学校低学年の頃に特定の男子(二人組)にいじめられていたことですね。
でも私は、単純にその子たちが嫌いだっただけで「男子みんな怖い…嫌い…!」と感じたことはありません。
それよりも先生や親に相談したときに、
○○くんは、とこよちゃんのことが好きなのよ~
と言って、まともに取り合ってもらえなかったことの方が傷ついたかもしれません。
仮にそれが本当だったとしても、恋愛感情がない私には理解不能ですからね!
というかヘテロの女子でも、男子にいじめられるのは普通にイヤだと思うのですが…
恋愛ってよくわかりませんね。
とりあえず私の経験からは「アロマンティック・アセクシャルの原因はトラウマではない!」とほぼ断言できます。
家庭環境が影響している説
異性恋愛の一番身近な見本は、多くの人にとっては自分の両親です。
結婚生活も、子どもを持った後の家庭生活のヴィジョンも、まずは自分の生育環境がベースになります。
家族の姿は物心つく前からずっと近くで見ているので、少なからず影響は受けるでしょう。
私の家庭環境は「普通」ではなかったため、
アロマンティック・アセクシャルになったのは、育ちのせいでは?
と言われたら、正直なところ否定はできません。
しかし私よりも過酷な環境で育った人でも、恋愛感情は持っている人はたくさんいます。
むしろ身体的虐待やネグレクトを受けて育った人や、親と離れて育った人ほど、
自分は絶対にあたたかい家庭を作るぞ!!
と強く決意していたりしますよね。
そういう人たちと私の違いは、一体どこにあるのでしょう?
たとえば、きょうだい児(兄弟姉妹が障害を持つ人)にとっての一番の悩みは、恋愛・結婚・出産なんですよね。
- どうやって相手にカミングアウトするか
- 相手の親に反対されないか
- 自分の子どもに障害が遺伝しないか
SNSや交流サイトを見ると、多くの人が悩んでいます。
親や障害を持つ兄弟姉妹に憎しみを抱いていたとしても、結婚・出産願望がある人の方が圧倒的に多いです。
あとは最初から恋愛を諦めているパターンですね。
私の妹は重度知的障害者なので、私はこの「きょうだい児」のうちの一人です。
でも私は恋愛を諦めているわけではなく、そもそも誰かに恋愛感情を抱いたことがありません。
そう考えるとパートナー願望はともかく、恋愛感情の有無はやはり生まれ持った特性なんじゃないかなと思います。
アロマンティック・アセクシャルの原因追求よりも、今後の人生の方が大切
アロマンティック・アセクシャルの中にも、いろいろな経験や価値観を持った人がいます。
- 理由があって恋愛感情を持てない人
- 何の理由も原因もなく恋愛感情がない人
異性愛の人が異性を好きになることに理由はないし、同性愛の人が同性を好きになることにも理由はありません。
異性愛も同性愛も、もともと生まれ持ったもの。本人の自由です。
だったら誰かを好きにならないことも自由ですし、理由もいらないですよね。
先天的だろうと、後天的だろうと、アロマンティック・アセクシャルを自認していることは事実です。
自認した今でも悩むことはありますが、ありもしない原因の追及に労力を費やすのは不毛だと思います。
そんなことよりも、今後の生き方について考えた方が、よっぽど建設的です
私は結婚・出産願望がなく、パートナーがほしいとも思わないタイプのアロマンティック・アセクシャルです。
そのため「女性が一人で生きていくには何をすべきか」を、今から考えていきたいと思っています。
もっと詳しくセクシャリティについて知りたい方は、本を読むのもおすすめです。
「見えない性的指向 アセクシュアルのすべて」ではアセクシャル以外のセクシャリティについても解説されているので、自分に一番近いセクシャリティが見つかるかもしれません。
コメント
勉強になりました。
とはいえ個人的な問題で、私はどちらの方といった分類(線引き)や生まれもったものと断定するのは、今の科学では難しいのではないかと思います。
こうして、お一人、お一人のそれぞれが抱えている思いや悩みなついてお一人お一人がそれぞれ表明し、周囲が寛容な心でそれを許容する。
そんな世界であることを祈るのみです。
今、ウクライナで戦争が始まりました。こうした個人的な悩みをオープンに表現できる世界は、本当に平和な世界だと感じます。
「人生、生きてるだけで丸儲け」
御巣鷹山の墜落した日航機に偶々乗り遅れ、命を失わずにすんだ明石家さんまの言葉です。
私たちは生物の一つに過ぎず特別な存在でも何でもありません。
ヒトのように両親の遺伝子が融合して生まれる場合も、すべての人がその人しか持っていない遺伝子配列を持っています。すべてのヒトが唯一無二の存在。クローン人間でない限り、すべてのヒトが生まれながら自分だけが持っている遺伝子があるんです。それが自然ですから周囲や表面上の多数派と自分を比較してどうこう考えたところで、自分は他の誰でもないわけですから違いを敢えて気にする必要はないと思います。
生きてるだけでいいんですよ。
居心地悪い環境なら、環境を変えればいい。自由に生きていいんですから、周りに影響されずに好きに生きて行きましょう。
100%理解しあえる人は一人もいないし、相手を理解できたとか、理解してくれるとか思ったとしても、本当にどうかなんて、つまりところ自分のことしかわからないんです。
無理のない寛容な心持ちで周囲の人と日々接していれば、自分が歩む道は自ずと開けるものだと思うし、そう思えばもっと楽でいられると思います。