社会で生きていくうえで、恋愛の話はどうしても避けられませんよね。
雑談、ガールズトーク、飲み会。
いつでも、どこでも、誰が相手でも、恋バナは突然ふりかかってきます。
しかし世の中には、恋愛感情を持たないセクシャルマイノリティ「アロマンティック・アセクシャル」が存在します。
私もそのうちの一人で、恋バナにいい思い出はありません…
そこで今回の記事では、アロマンティック・アセクシャルが困る恋の質問3つについて書いていきたいと思います。
「彼氏いるの?(好きな人いるの?)」
ストレートな質問なので、ストレートに困る質問です。
場の空気を読んで「いる」と答えると、今度はエピソードを根ほり歯ほり聞かれることになってしまいます。
- どんな人?
- 職業は?年齢は?
- どこで出会ったの?
架空のラブストーリーを作る能力が試されますね!
私は話を合わせるために嘘をつき続けるのが面倒なため、いつも正直に「いない」と答えています。
そうすると、過去の恋愛遍歴を聞かれることになるわけですが…
彼氏いない歴=年齢です、初恋の経験もありません!
と言ったところで、絶対に信じてもらえないんですよね。
- またまた~、隠してるだけでしょ!
- え~嘘~!もったいない!
- そう言っている人に限って、まっさきに結婚するんだよねぇ
- まだ運命の人に出会ってないだけだよ
大体こんな感じの反応です。
アロマンティック・アセクシャルあるある
特に「まだ運命の人に出会ってないだけ」は、多くの人が言われた経験があるのではないでしょうか?
また、好きな異性がいない・興味すらないことを公言していると、同性愛者だと勘違いされることもあります。
実際に私も女性の同僚から
とこよさんって…女の人が好きなんですよね?
と聞かれて、びっくりしたことがあります。
恋愛感情がある人はそういう解釈をするのか…!
目からウロコというか、他の人との思考回路の違いを再認識した瞬間でした。
「好きなタイプは?理想のタイプは?」
「彼氏/好きな人はいない」と答えた後に来る質問がこれです。
「今は」好きな人がいないと解釈されるんですよね…
私は誰かと付き合いたいと思ったことがなく、結婚願望もないので、理想のタイプも存在しません。
それでも「いつか普通に恋愛をするかもしれない」と思っていた頃は、がんばって答えていました。
たとえば小学生時代の
- プロフィール帳(当時すごく流行っていた)
- クラス文集・卒業文集
などには「やさしい人」と書いていた記憶があります。
ただ大人になって、恋愛感情がない人間だと自覚してからは、好きなタイプも特にないと答えています。
どうしても答えなければならないときは
- やさしい人
- 真面目な人
- 好きになった人がタイプ
という感じで、抽象的に答えるしかありません。
「理想の誰か」と付き合っている自分の姿は、まったく想像できませんが…
「じゃあ、好きな芸能人は?」
「じゃあ」ってなんやねん!!
好きなタイプはいないと答えると「うまく言語化できないのかな?」と思われるみたいです。
助け舟のつもりなのでしょうが、これはこれで厄介な質問です。
「好きな芸能人は?」って、好みの顔のタイプを聞かれているのとほぼ同義なんですよね。
おそらく相手は、アイドルやイケメン俳優の名前が出てくることを想像しているはずです。
しかし恋愛感情がない人間にとってのイケメンは、単純に「顔が整ってるなぁ…」と思うだけの存在です。
「抱かれたい男ランキング」とか意味不明!
確かにイケメンの中でも「特別に顔が整ってるなぁ…」と思う顔はあります。
きっとそれが「好みの顔のタイプ」なのでしょう。
でも、そこに恋愛的な意味はありません。
女性の中でも特に美人だなと思う顔はありますし、性別に関係なく「特別に顔が整ってるなぁ…」と思うだけなんですよね。
そして特別に顔が整っていると思う芸能人=好きな芸能人でもないのが、また厄介なところ。
容姿が美しい人を見たときの感情は、誰が見ても美しい絵画や風景を見て「きれい!すごい!」と思うのと同じです。
「きれい」以上の興味がわかなければ、そこで終了なんです。
仮に好きになったとしても、その好意は恋愛的なものではありません。
推しへの感情も、恋愛とは別物ですからね
結論:恋愛感情がないので恋愛がらみの質問は大体困る
恋愛は人類共通の話題であり、最大のエンターテインメントだと多くの人に認識されています。
しかしアロマンティック・アセクシャルは、恋バナの大前提となる恋愛感情を持っていません。
だから恋愛がらみの質問されても、答えようがなくて困ってしまいます。
正直に言っても信じてもらえないし…
私は30代なので、そろそろ年齢的に「彼氏は?」「好きなタイプは?」なんて質問はされなくなるのかなと思っています。
ただ、今度はきっと「ご結婚は?」「お子さんは?」と聞かれるターンに入るだけなんですよね。
恋愛(+結婚、出産)は、ほとんどの人にとっては盛り上がる話題ですから、質問されるのは仕方がないことです。
そこは諦めるしかありません。
しかし世の中には恋愛感情を持たず、恋人願望も結婚願望もない人がいることを、もっと知ってもらいたいです。
「私、アロマンティック・アセクシャルなので!」で、すべてが解決する世界になってほしいですね
もっと詳しくセクシャリティについて知りたい方は、本を読むのもおすすめです。
「見えない性的指向 アセクシュアルのすべて」では、アセクシャル以外のセクシャリティについても解説されているので、自分に一番近いセクシャリティが見つかるかもしれません。
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