私は恋愛感情を持たない性的マイノリティ「アロマンティック・アセクシャル」を自認しています。
世の中にはいろいろな物語があふれていますが、
ずっとつらい思いをしてきたけど、素敵な彼氏ができました!
人生どん底だったけど、今は結婚して子どもも産まれて、とても幸せです♪
といった感じで、恋愛や結婚が話のオチになっていることが多いです。
フィクション・ノンフィクションにかかわらず、恋愛は「ハッピーエンド」のテンプレートなんですよね。
私は子どもの頃から、それがずっと不思議でした。
大人になった今でも、ある程度は理解しつつやっぱり不思議だなと思っています。
特に、メンタル系のエッセイで急に出てくる「素敵な旦那(彼氏)」の存在が謎で仕方がないんですよね!
生きづらさに悩んでいる人にも、旦那や彼氏はいる…?
私はかなり前から「生きづらさ」を抱えています。
なぜ自分はこんなに生きづらいんだろう…?
おそらく原因は一つではないので、ズバッと明確な答えは出ません。
それでも原因を考えたり、検索したり、本を読んだりしています。
そんな中で同じく生きづらさを抱えている人や、メンタル立ち直り系のエッセイを読むこともあります。
そうすると、なぜか出てくるんですよね。
こんな私ですが、支えてくれる素敵な旦那様がいます♪
という唐突なノロケが。
え?私は一体何を読んでいたの??
メンタル系のエッセイを読んでいたはずなのに、いきなり恋愛エッセイになったんだけど?
- 人と会うと疲れちゃいます
- 人に頼るのが苦手です
みたいなことを言っていたのに、配偶者や彼氏はいるの?
恋愛って難易度MAXのコミュニケーションなんじゃないの?
まぁ「生きづらさ」の理由は人それぞれだし、相手側の理解力や包容力がすごいから、お付き合いをしていられるのだと思いますが…。
いや…それでもやっぱり謎すぎる…
旦那や彼氏が出てきた瞬間にエッセイへの共感がゼロになる
エッセイは、作者の体験談や思ったことを形にしたものです。
だから読者の共感を得やすい。
というか、いかに読者に共感してもらえるかが大切です。
その大切な共感が一気にゼロになるんですよね。メンタル系のエッセイで旦那や彼氏が出てくると。
スン………
それまでのエピソードでどんなに共感していても、恋人が出てきた瞬間に私とは関係のない話になってしまいますからね。
いきなり宇宙空間に放り出された気分になります(宇宙猫顔)
私は恋愛感情がなく、恋人がほしいと思ったこともないので、
素敵な旦那や彼氏のおかげで、なんとか生きています!
と言われても、参考になりません。
私には絶対に無理な方法だな~…って感じです。
あとは「自分を好きになったら生きやすくなって、彼氏もできました♪」ってパターンも、本人が努力した結果ではあるけど、
メンタルを立て直した先にある幸せが恋愛なのかぁ
と思うと、他人事になっちゃうんですよね。
まぁメンタル系のエッセイを書いている人は、アロマンティック・アセクシャルではないので仕方がありません。
フィクションにしろ、ノンフィクションにしろ、やっぱり話にオチをつけるには彼氏や結婚が一番わかりやすいんです。
結局、自分を支えられるのは自分だけ!
私が読みたいのは「自力で這い上がって、自分の人生を一人で楽しんでいます!」系のエッセイです。
しかし世の中の99%の人は恋愛をします。
恋人願望や結婚願望を持つ人も圧倒的に多いです。
「人生の幸せ=恋愛・結婚」が世の価値観ですからね。
「過去のどん底経験」と「現在」の対比には、やっぱり恋愛が一番わかりやすい。
それはエッセイの作者だけではなく、読者側もそうです。
だから「こんな私ですが、支えてくれる素敵な旦那様がいます♪」なエッセイが流行って、バズったり、書籍化したりして、さらに多くの人の目に触れることになるんです。
逆に「一人でも人生を楽しんでいます!」と言っても、多くの人は本音だと思わないし、共感も得られません。
ただの強がりでしょ
と思われて終了です。
アロマンティック・アセクシャルあるある~!
なのでエッセイを読むなら、おひとりさまを全面に押し出したものが良いんじゃないかなと、最近ようやく気づき始めました。
恋愛感情の有無はともかく、自分と似た価値観を持っていそうなので…
まぁ、ある日突然「結婚しました!」報告をされるリスクはありますけどね(笑)
おひとりさま向けの本は何冊か積んであるので、読んでみて安全そうだったらご紹介したいと思います。
ちなみに最近読んだのはこちら。もちろん「彼氏・結婚オチ」ではありません。
あとエッセイじゃないけど、アセクシャルが題材になっているマンガも。
こうしていろいろ読んでみたり、考えてみたりするんですけど、結局のところ自分を支えられるのは自分だけです。
だから、もっともっと開き直って生きていきたいですね!!!
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